和田公民館

 

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遺跡も発掘された和田は、市街化調整区域に指定されていて、私の住む志津地区とは随分異なり、郷愁を誘う地だ。80歳台と思われるおばあちゃんに道を尋ねると、「根郷村を越えて行くと和田村に辿りつくよ。」と教えてくれた。

和田公民館の中には、和田民俗資料室が併設されているが、近くに資料館を建設中でそこに移動する予定である。

「資料室の概要」 ― パンフレットより ―

和田地区は佐倉市の東部に位置し、現在では稲作、大和芋、施設園芸、畜産などが盛んな地域になっています。この地域は古くから農村として発展してきましたが、昭和30年代頃から生活の近代化の影響を受け、伝統的な生活様式や農業などの生産方式に変化が現れました。そこで、民族資料を収集し、地域の変化を資料を通して小学生の学習に役立てようと、昭和45年和田小学校PTA事業として民族資料の収集が開始されました。こうして収集された約300点の資料のうち代表的なものを、昭和50年から和田公民館に民俗資料室を開設し一般公開しております。この資料室では、稲作、畑作、養蚕、機織りの各分野毎に展示を行なっておりますが、ここに展示した資料から、地域の人々の足跡をご理解いただければ幸いです。

和田公民館に電話すると、金曜日に機織りがあるので、その時にいらして下さいということだった。伺うと、資料室の方が中を案内して下さった。

養蚕はかなり盛んだったらしく、そのために総武本線八街まで鉄道が敷かれたくらいである。農家の方が自費出版なさった機織の本も見つかり、展示してある。全国から毎日のように観光バスで人が訪れていた時代もあったようだ。今は開発調整区域に指定されているので、住民の方たちはかえって不便な生活を強いられている面もあると思う。「今の課題は、いかにこの和田地区に人を招くことが出来るかということで、ここを訪れた人たちが自分の地域に戻り、また人々を連れてきてくれれば、それがとても意味のあることだ。」と、資料室の方はおっしゃっていた。

さて、資料室に展示されている珍しい農機具は、パンフレットに記載されているように和田小PTAの収集ということだが、その発起人のひとり藤井さんにお会いすることが出来た。4人で「さきおり」という織物の仕事をしていらっしゃる最中だった。こちらの方々は保存会の人たちだが、隣の部屋では機織りのサークルの方たちも活動なさっていた。(「さきおり」に使う古い着物がありましたら、和田公民館まで提供してくだされば嬉しいです。)

藤井さんの指は、長い間機織りに掛けてきた年数を感じさせる器用な動きだった。手を休めず、いろいろなことをお話してくださったが、伝統的なものを継承する難しさはどの世界でも同じで、機織りの心を継承していきたいとおっしゃっていた。昔の人はみんな人が良くて、良いものをよそからきた人にあげてしまうので、自分たちの住む和田にはあまり良い織物が残らなかったとか・・・。

近々完成する資料館を多くの人が訪れ、和田地区だけではなく自分たちが住んでいる所でも、昔同じような営みがあったのだという思いを馳せて欲しいと思う。

特産の無農薬大和芋をいただいて(とても美味)、和田公民館を後にしたが、話の中で私の胸に引っかかるものがひとつあった。それは、和田小のPTA会長は任期を終えると自動的に民俗資料収集委員会に入ることになっているというもの。PTA役員をやっている私としてはここで、「エッ!とんでもない。」という発想になってしまう。そういう条件でPTA会長を引き受ける方がいらっしゃるのかという疑問を抱きながら、お隣の和田小を訪れる。(この図々しさ)

そうすると後は、IFSのボランティアというより、PTA役員の意識の方が強くなる。和田小の環境は素晴らしい。明るく光が差し込む部屋からのどかな風景をバックに校庭が広がっている。突然の訪問にもかかわらず快く応対してくださった教頭先生から渡されたメモは、去年PTA会長をなさっていたという押尾さんのお宅の住所だった。親切に地図のコピーをとって行き方を教えてくださった。更に和田地区の奥へと車を走らせる。押尾さんのお宅は大規模に洋ランを栽培していらっしゃり、一面に彩り豊かな温室ハウスがあり、思わず3鉢ほど購入してしまった。その後花は散ったが、今も生き生きとした葉脈を見せている。

「絶対、和田の方々はみんな良い人だ!」と言い切れるくらい元PTA会長の押尾さんも、私の質問に答えてくださるのみでなく、今の和田の文化をどうやって継承していくか、受け継いだものをどう保存していくかということを、熱意を持ってお話してくださった。私のつまらない憶測なぞはすっかり消え去り、こういう方々が和田を守っていらっしゃるのだなという思いだけだった。

皆さんは、和田の“ふるさと祭り”にいらしたことがありますか?今年は私も、友達を誘って是非行こうと思っています。この時出される“ばらっぱまんじゅう”は、薔薇の葉で包んだおまんじゅうで、薔薇の葉には細菌を殺す働きがあるそうです。この葉を取るために7月頃山に入り、1000枚くらい採集し塩漬けにして、祭りのある11月まで保存するそうです。和田では何百年も昔から食されているお菓子とのことですが、それをよその人たちのために大変な思いをしてまで供してくださるこんな心のこもったご馳走が他にあるでしょうか?また、昔ながらの作り方をした本物の竹馬に、子供たちを乗せてあげるというプランもあるようです。

こんなに宝物がいっぱいの和田だが、どうやって若い人たちに伝えていけばよいのかということが悩みだと、お会いした皆さんがおっしゃっていた。それは子育てでも同じで、きっといつの時代のテーマでもあるのかもしれない。私は心から、「フレー、フレー、和田!」と声援を送りたいと思う。

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